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豪栄道の引退

地元の大阪場所を前に、豪栄道が潔く引退した。大関を陥落したら、即引退と決めていた彼らしい引き際だった。特段に強い大関ではなかったが、度重なる怪我にも負けずに、我慢強く、決して痛みを表に出さない「大和魂」を体現した数少ない関取だと思って見ていた。その精神性の高さで記憶に残る大関になった。昨日の会見では寂しさより、むしろ清々しさを感じた。まさに彼が言う、やりきった感があったんだと思う。


言うまでもなく、大相撲は武士道精神を今に伝える国技である。「礼に始まり、礼に終わる」このスポーツは、体をもろにぶつけ合う激しい肉弾戦だからこそ、その精神性が際立ち美しい。日本が育んできたこの精神性は、最高位に陣取る異国の人たちには解らないかも知れない。ただ勝てばいいのではない。狡猾なやり方で勝っても、尊敬はされない。受けて立つ強さの上に品格を備えていなければ、横綱とは言えないのである。





初場所は炎鵬や遠藤などの活躍があって、久しぶりに面白かった。ただ豪栄道が引退したことで、来場所は大関が一人になった。有望株がいるのにはいるがまだ定かではない。

豪栄道は「自分は横綱になれなかったので、横綱を育ててみたい」と言っていたが、人望厚い彼ならできそうだ。やがて日本人の横綱が颯爽と登場するのを見てみたい。



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