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寅さんにまた会いたい

寅さんが大好きだ。人情厚く、人懐こくって、温かい人柄が心地よい。昭和44年から続くシリーズすべてを、何回繰り返して見ただろう。いつも見終わった後は何だか、心がホッコリする。無機質になってしまった今を離れるために、便利ではなかったけど、温かった昭和への懐かしさも手伝って、また寅さんに会いたくなる。





<男はつらいよ>はキャステイングが秀逸で、渥美清あっての映画だ。正に寅さんを演じるために生まれて来たように思えるほどのはまり役だ。寅さんは渥美清以外に考えられない。雰囲気や独特の風貌、立て板に水のようなしゃべり口などで存在感が突き抜けている。周りを固めるさくらやおいちゃん、おばちゃん、タコ社長などもいい味が出ていて、誰をとっても親近感が沸く。登場するマドンナが毎回変わることで新鮮さが演出され、長くシリーズ化できた要因の一つだと思う。決して着飾ることなく、昭和の市井の人々をありのままに描くことで、寅さんと同じコタツに入って観ているように、身近に感じる映画になっている。


もうこんな映画はできないだろう。ある意味、時代が作った映画かもしれない。世の中が便利になればなるほど、人情は薄れていく。単なる郷愁ではなく、社会が殺伐として、良い人間関係がなくなっていく時代だからこそ、こんな映画が必要なのに・・・。ホッコリしたい時はまた寅さんに会いに行こう。



#寅さん #昭和 #タコ社長 #おいちゃん #渥美清 #倍賞千恵子


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