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データを活用できない社会

デジタル社会とはデータで動かす社会だ。「21世紀の石油」と呼ばれるデータは、経済や社会のあり方まで変える。AIもEV(電気自動車)もデータがなければ動かない。またデータ管理は国家の安全保障の根幹にも関わってくる。


9月の「デジタル庁」が発足する。日本のデジタル化は惨憺たるもので、行政手続きのデジタル化はOECD内では最下位だ。この20年間、何もしてこなかった日本が、重要なデータを柔軟に活用し、果たして世界に追いつけるか疑問だが、まずやらなければいけないのは全国民のデータであるマイナンバー登録に向けての施策である。2016年に始まったマイナンバー制度だが、取得率は現在4割弱らしい。当初、役所の手続きでハンコが要らないなど、ちっぽけな利便性ばかりを言うばかりで、マイナンバーデータの安全性やその扱い方などの説明をしてこなかった。「マイナポイント」などの小手先のキャンペーンなどやったが効果はない。未だに普及しないのは、国民の政府への信頼感がないのが一番の理由だ。





このコロナ禍で日本のデジタル化の遅れが如実に出た。支援金の速やかな送金やワクチン接種の混乱や病床逼迫など無様な姿をさらけ出した。国民に多大な不安や迷惑をかけたことを大いに反省し、デジタル化への施策を迅速かつ確実に進めるべきだ。ただデジタル化の遅れを取り戻すことは容易ではない。実は世界各国の膨大なデータが今、島国で比較的安全な日本のデータセンターが集まってきている。データを有効に活用することで閉鎖的で、縦割りの組織を自ずから変えることになるのだが、そんなことがこの国にできるだろうか?

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