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日本の美しい伝統色

令和天皇の即位に伴う一連の儀式が完了した。その触れることのできない厳かな雰囲気、両陛下の気品ある佇まいを見ていると何か荘厳な世界に誘われる気持ちになる。西洋のような絢爛豪華さは決してないが、地味ながら粛々と進む古来より続けられてきた儀式が心の中に静かに沁みてくる。




私が特に注目したのは、両陛下がお召しになられた装束の色である。そこにあしらわれた伝統色がとても美しい。両陛下を取り巻く従者の装束と相まって、何とも言えない色のハーモニーが醸し出されてる。日本の伝統色は彩度が抑えられていて、目立たない静かで、落ち着いた色相が多い。グレー色を混ぜた何とも言えない美しい色だ。鮮やかな色にも僅かだがグレー色が入っているが、何かホッとする存在感のある色目になっている。繊細で、微妙な心の機微まで推し量ろうとする日本人が、古くより色からもそれを読み取ろうとしたのだろうか。YES NOだけで決して割り切れない日本人の心の奥深さが見えるような気がする。



古来から培われてきた色も世界に誇れる日本の文化だ。昔の日本人は色彩感覚に優れていたと感心する。グローバルな時代となり、これからますます世界に出ていく日本人のアイデンティティは一体何なんだろう?それは長い年月を経て育まれた、この国の文化一つ一つだと思う。その内の一つでもいいから世界の人達に伝えることができたら、それは立派な国際交流だ。






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